婦人科リスティング広告の始め方|準備から運用・やめどきまで

このコラムは、マイセレが医療機関の集患を支援してきた実績から得た独自の知見をもとに、編集部が書いています(編集方針)。公的な統計や資料の数字は、出典を明記しています。
リスティング広告を始めたいと思っても、何から決めればよいのか、広告会社に任せきりにして大丈夫なのか、迷っている院長・事務長は多いのではないでしょうか。クリックは増えたのに予約が増えない、広告費の使い道が見えない、という相談もよく聞きます。
結論から言うと、婦人科のリスティング広告は、出稿の前に、目的と予約の計測を決めておくことが、成果を左右します。始めてからは、毎週は検索された語句、毎月は予約につながった数字を見て、直すか、やめるかを判断します。この記事では、始める前の準備から、運用の進め方、見る数字、やめどきと改善の基準、広告ルールの要点までを整理しました。公的な資料とGoogleの公式ヘルプをもとに整理し、費用の数字は一次情報がないため載せていません。
リスティング広告は、始める前に目的と予約の計測を決め、始めてからは毎週・毎月の数字で直すかやめるかを判断します。
- 目的を「予約を増やしたい診療メニュー」まで絞り、広告費・クリック数・予約数を同じ表で追えるようにする
- 毎週は検索語句、毎月は予約単価(広告費÷予約数)を見て、区切りごとに続けるか決める
- 検索広告には限定解除が使えず、広告文は広告可能事項の範囲に。Google広告のポリシーにも注意する
※リスティング広告とは、検索した人の画面に出て、クリックされると費用がかかる広告です。
婦人科のリスティング広告を始める前に決める準備
リスティング広告は、検索した人に広告を出して、サイトに来てもらう仕組みです。始める前に、何のために出すのか、何をもって成果とするのかを決めておくと、あとで判断に迷いません。
目的を診療メニューまで絞る
「新患を増やしたい」だけでは、広告の出し方が定まりません。婦人科なら、たとえば、ブライダルチェックや更年期の相談など、予約を増やしたい診療メニューを1つか2つに絞ると、広告文もリンク先のページも合わせやすくなります。どの検索の言葉を狙うかは、リスティング広告のキーワード設計の記事で詳しく扱っています。
院長は更年期の相談を増やしたいのに、広告のリンク先が医院のトップページだと、来た人はどこから予約すればよいのか迷って離れてしまいます。リンク先を目的のメニューのページにするだけで、迷いは減らせます。
予約までの計測を先に整える
広告の成果は、クリック数ではなく予約で見ます。そのために、広告をクリックした人が予約に至るまでの動きを、数字で追えるようにしておきます。Google広告のヘルプでは、コンバージョンを、購入や電話での問い合わせなど、広告主にとって価値のある行動と説明しています。
計測の種類として、ウェブサイト、アプリ、通話、オフラインの4つが挙げられています。婦人科なら、予約ボタンのクリック、予約フォームの送信、電話の発信などが当てはまります。

GA4では、成果にとって重要なイベントを「キーイベント」としてマークでき、Google広告のコンバージョンとして使えると、アナリティクスのヘルプに書かれています。電話予約が多い医院では、Google広告専用の転送番号を使うと、通話の時間や発信元の市外局番などを把握できるとされています。
予約システムが外部のサービスの場合は、サイト上で計測できる範囲が変わることがあるため、どこまで追えるかを事前に確認してください(編集部の整理)。
※GA4とは、Googleが提供する、サイトを見た人の数や動きを調べるアクセス解析ツールです。
※キーイベントとは、Googleアナリティクスで、予約など大事な行動として数える設定です。
予算は予約1件にかけられる額から決める
予算は、まず、初診1人から見込める収益のうち、広告に回せる額を決め、そこから逆算します(編集部の見立て)。Google広告では、予算をキャンペーンごとに「1日の平均予算」として設定し、いつでも変更できます。月の予算から決めるときは、30.4日(1か月の平均日数)で割って1日の額にすると、ヘルプに説明されています。具体的な決め方と金額の考え方は、リスティング広告の予算の決め方で詳しく扱います。
なお、アカウントの開設から広告の入稿までの手順は、リスティング広告の始め方の手順にまとめる予定です。この記事では、手順そのものではなく、判断の考え方に絞っています。
- 予約を増やしたい診療メニューを1つ選ぶ
- 予約ボタンと電話の発信を、数字で追えるか確認する
- 広告費・クリック数・予約数を書き込む月次の表を用意する
婦人科のリスティング広告の運用の流れと見る数字
配信を始めたら、見る数字と頻度を決めて、淡々と続けることが大切です。院内で続けやすい、週次と月次の見方を紹介します。

毎週は検索語句を確かめる
Google広告の「検索語句レポート」では、実際に広告が表示・クリックされた検索語句を確認できます。ヘルプでは、無関係な語句は除外キーワードに追加して無駄な表示を減らせること、実際の言葉から広告文やリンク先の改善のヒントを得られることが説明されています。
週に1回、15分ほどでも、想定外の語句でクリックされていないかを見る習慣をつけましょう。キーワードごとの除外の考え方は、キーワード設計の記事に譲ります。
※除外キーワードとは、広告を出したくない検索語を指定する設定です。
毎月は予約の数字をまとめる
月に1回は、広告費、クリック数、予約ボタンのクリック数や電話の発信数、実際の予約数を、同じ表に並べます。ここで見たいのは、クリック1回あたりの費用と、予約1件あたりの費用の2つです。
| 見る頻度 | 見る数字 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 毎週 | 検索語句・クリック数 | 想定外の語句がないか。除外する言葉はないか |
| 毎週 | 予算の消化 | 1日の平均予算を使い切っていないか。早く切れていないか |
| 毎月 | クリック単価 | 広告費をクリック数で割った値が、前月と比べて大きく動いていないか |
| 毎月 | 予約単価 | 広告費を予約数で割った値が、広告に回せる額に収まっているか |
| 毎月 | リンク先の予約率 | クリックした人のうち、予約ボタンや電話に進んだ割合が落ちていないか |
クリック単価は、Google広告のヘルプで平均クリック単価として、広告費の合計をクリック数で割って求めるものと定義されています。予約単価は、広告費を予約数で割った値で、編集部がこう呼んで整理したものです。クリック単価が低くても、予約が取れなければ意味がないため、見る順番はクリック単価より予約単価を優先します。ホームページ全体の数字の見方は、婦人科のホームページで見るべきKPIで解説しています。
費用の数字は一次情報がないため載せない
クリック単価や予約単価がいくらなら良いか、という公的な目安は示されていません。地域や診療メニューで大きく変わると考えられるため、他院の数字を目安にするのではなく、自院の過去の数字と、広告に回せる額との比較で判断してください(編集部の見立て)。
婦人科のリスティング広告をやめる・改善する基準
広告は、続ければ成果が出るとは限りません。区切りをあらかじめ決めておくと、費用をだらだら使い続けずに済みます。
始める前に見直す時期を決めておく
Google広告のヘルプには、スマート自動入札には標準で7〜14日の学習期間があり、その間に予算や目標を頻繁に変えると最適化が遅れることがある、と書かれています。配信を始めてすぐに、数日で判断しないことが大切です。院内では、見直しの区切りを先に決め(たとえば、毎月の締めのあと)、そのときまでは設定を触りすぎないようにします。
※スマート自動入札とは、広告にいくらまで払うかを決める設定です。
やめるか直すかの判断の目安
次のような状態が続くときは、広告を直すか、いったんやめることを検討します。いずれも編集部が整理した目安で、公的な基準ではありません。
- クリックはあるのに、予約ボタンや電話に進む人がほとんどいないときは、リンク先のページを直す
- 予約単価が、広告に回せる額を超え続けているときは、キーワードや広告文を絞る
- 想定外の検索語句での費用が多いときは、除外キーワードを増やす
- 予約システムや電話で計測できていないときは、判断の前に計測を直す
直しても区切りの期間内に改善しない場合は、広告を止めて、ホームページやMEOなど、他の施策に費用を回すことも選択肢です。他の施策との優先順位は、婦人科の集客方法7選の記事が参考になります。
院内で実践するなら、毎月の締めの日に、院長と事務長で「広告費」「予約数」「予約単価」の3つだけを見て、続ける、直す、やめるのどれにするかを、15分で決める時間を作ってみてください。
※MEOとは、Googleマップの検索で自院を上位に表示させる対策です。
婦人科のリスティング広告で気をつける広告ルール
リスティング広告も医療広告の対象です。ここでは要点だけを紹介します。詳しい内容は、婦人科の広告規制の記事をご覧ください。
医療広告ガイドラインの要点
厚生労働省の医療広告等ガイドラインは、検索サイトで検索したときにスポンサーとして表示されるものや、費用を支払って意図的に上位に表示される状態にしたものは、患者さんが自ら求めて入手する情報に当たらず、広告可能事項の限定解除の要件を満たさないと明記しています。
つまり、検索広告の文面は、診療科名、診療日・診療時間、予約による診療の実施の有無などの、広告可能事項の範囲で書く必要があります。患者さんの体験談や、誤認させるおそれのあるビフォーアフターの写真も、医療広告としては認められません。リスティング広告の出稿前と運用中の確認項目をまとめたリスティング広告の出稿前・運用チェックリストを無料で配布しています。
一方、厚生労働省のQ&Aでは、バナー広告にリンクした医療機関のウェブサイトは、限定解除の要件を満たせば広告可能事項の限定を解除できると説明されています。検索広告のリンク先も同じ考え方になると考えられますが(編集部の解釈)、判断に迷う場合は管轄の保健所に確認してください。
Google広告ポリシーの要点
Google広告のポリシーの「ヘルスケア、医薬品」のページには、日本向けの広告について、処方薬に関連する用語を広告文、ランディングページ、キーワードに使うことは原則として許可されていないと書かれています。また、違反は深刻とみなされ、事前の警告なくアカウントが停止される場合があるとも書かれています。
ポリシーは変更されることがあるため、出稿の前と、メニューを追加するたびに、最新の内容を公式ヘルプで確認してください。
医療広告ガイドラインとGoogle広告のポリシーは、別々のルールです。どちらか一方を満たしていても、もう一方に反することがあります。広告文は、両方を確認してから入稿してください。
※ランディングページとは、広告などから最初に開く、予約など1つの目的に絞ったページです。
婦人科のリスティング広告でよくある質問
婦人科のリスティング広告について、院長・事務長が迷いやすい4つの疑問にお答えします。
広告会社に任せきりにしても大丈夫ですか?
運用を任せることはできますが、目的の設定と、予約の数字の確認は、院内で持つことをおすすめします。広告会社が見る数字がクリック数だけだと、予約につながっているかが分からないためです。広告文が広告可能事項の範囲に収まっているかも、医院側の責任で確認が必要です。
少額でも始められますか?
Google広告では、予算をキャンペーンごとの1日の平均予算で設定でき、いつでも変更できます。ただし、少額だと表示やクリックの数が限られ、判断に使える数字が集まるまで時間がかかると考えられます(編集部の見立て)。金額の考え方は、予算の記事で扱います。
どのくらいの期間で成果が分かりますか?
公的な目安は示されていません。Google広告のヘルプには、スマート自動入札の学習期間が標準で7〜14日とあるため、少なくともその間は設定を大きく変えず、そのあとの数字で判断するのが現実的です。
広告を止めたら予約は減りますか?
広告をきっかけにした予約は、止めれば減ると考えられます。そのため、やめる前に、広告経由の予約数と、ホームページや地図検索など、他の経路の予約数を分けて確認してください。
婦人科のリスティング広告のまとめ|準備と数字で判断する
リスティング広告は、始める前の準備と、始めてからの数字の見方で、続けるかやめるかが決まります。予約の計測を先に整え、毎週は検索語句、毎月は予約単価を見て、区切りごとに判断する。広告文は、医療広告ガイドラインとGoogle広告のポリシーの両方を確認してから出しましょう。
- 目的は診療メニューまで絞り、予約の計測を先に整える
- 毎週は検索語句、毎月は予約単価を見て、区切りごとに直すかやめるかを決める
- 検索広告には限定解除が使えず、Google広告にも独自のポリシーがある

自費メニューLPテンプレート
自費診療メニューのランディングページを作るための構成テンプレートです。見出しの順序、入れるべき情報、医療広告ガイドラインの注意点をまとめます。
無料でダウンロード参考文献・出典
本記事で参照した公的資料と公式ヘルプの一覧です。リンクは2026年10月20日に開いて内容を確認しました。
更新履歴
- 2026年10月20日 本文を作成しました(下書き)
- 2026年10月20日 専門用語に注釈を追加しました
メールマガジン(無料)
婦人科クリニックの集患に役立つ数字と施策を、月1回お届けします
公的統計・検索需要の「今月の数字」と、MEO・ホームページ・広告ですぐできる改善を、5分で読める量にまとめています。
※本ページは公的資料に基づく一般的な解説であり、個別の法的判断は専門家にご相談ください。

