更年期外来の集患|症状に悩む世代に届く情報設計と広告の注意点

このコラムは、マイセレが医療機関の集患を支援してきた実績から得た独自の知見をもとに、編集部が書いています(編集方針)。公的な統計や資料の数字は、出典を明記しています。
更年期の症状があっても、「更年期かどうか分からない」「そのくらいで受診してよいのか」と迷って、受診をためらう方は、国の調査でも多いことが分かっています。更年期外来の集患は、症状のある方に「受診してよい」と伝えるところから始まります。
結論から言うと、40〜50代の更年期は、症状があっても受診していない人が国の調査で約8割にのぼるため、「受診の目安」「診察の流れ」「費用」を、患者さんの言葉で先に伝える情報設計が有効です。あわせて、「更年期外来」という表記や効果の表現には医療広告のルールがあります。この記事は、厚生労働省の調査と資料の原文を確認し、院長・事務長が院内で進めやすい形に整理しました。
更年期は、症状があっても受診していない人が多い領域です。受診の目安、診察の流れ、費用を先に伝える情報設計と、広告のルールを守ることが集患の基本です。
- 国の調査では、症状のある50代女性の78.9%、40代女性の81.7%が受診していない
- 「医療機関に行くほどのことではない」と考える人が多いため、受診の目安を具体的に書く
- 「更年期外来」の表記や効果の断定は、医療広告ガイドラインの対象になる
更年期外来の集患で知っておきたい受診の実態|国の調査でみる40〜50代
更年期外来の情報設計は、患者さんの実態を知るところから始まります。厚生労働省が2022年に公表した意識調査から、集患に関わる数字を確認します。なお、この調査は、インターネットのモニターを対象に、回答者の主観に基づく更年期症状をもとに集計したもので、医療機関での診断とは限らない点に注意が必要です。

診断された人は少なく可能性を疑う人は多い
調査によると、女性で「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある、または診断されている」割合は、40〜49歳で3.6%、50〜59歳で9.1%でした。一方、更年期障害の可能性があると考えている割合(受診はしていないが疑ったことがある、周囲から指摘された、別の病気で受診して可能性を指摘された、の合計)は、40〜49歳で28.3%、50〜59歳で38.3%でした。診断を受けた人より、可能性を感じている人のほうがはるかに多いことが分かります。
症状があっても約8割は受診していない
更年期症状が一つでもある女性のうち、「受診していない」と答えた割合は、40〜49歳で81.7%、50〜59歳で78.9%でした。症状を自覚してから1か月未満から3か月程度で受診した人を合わせても、40〜49歳で9.1%、50〜59歳で11.6%にとどまります。
受診していない理由で最も多いのは、男女とも「医療機関に行くほどのことではないと思うから」で、女性では次いで「我慢できるから」が挙げられていました。
たとえば、50代の患者さんが、のぼせや眠れない日が続いていたのに、半年ほどがまんしてから受診された。「こんなことで来てよいか分からなくて」と話される場面です。こうした方に向けて、受診してよい基準をホームページで先に示せるかどうかが、受診のタイミングを左右します。
情報はインターネットや友人から得ている
更年期症状に関する情報源として、女性の40歳代、50歳代では、「インターネットの検索・質問投稿ホームページ」「友人・知人」「テレビ」がいずれも10%を超えて高いと、調査は報告しています。検索で、自院の情報に出会えるかどうかが重要になります。
また、調査の設問には、受診する目安や、診察内容や費用、症状の伝え方といった項目が、ほしい情報として挙げられていました。検索の関心の動きについては、自社集計のGoogleトレンドで、「更年期」の直近8週の相対指数は55.6、前年同期比は8%減でした。この数字は検索の関心を示すもので、受診した人数ではありません。
更年期外来の集患で40〜50代に届く情報設計5つ
調査から見えるのは、症状があっても「受診するほどではない」と考える方が多いことです。その方々に届くように、ホームページのページ構成を考えます。次の5つが基本です。
症状の言葉でページを作る
患者さんは、「更年期」という診断名ではなく、症状の言葉で調べると考えられます。調査では、ほてり、のぼせ、発汗、動悸、頭痛、関節痛、冷え、疲れやすさといった身体症状と、気分の落ち込み、意欲低下、イライラ、不眠といった精神症状が、更年期症状の例として挙げられています。
ページでは、こうした症状の言葉を見出しに使い、患者さんが自分のことだと感じられる構成にします。ただし、治療の効果を断定する書き方は避けてください。子宮頸がん検診の伝え方と予約につなげる方法については、婦人科の子宮頸がん検診で集患も参考になります。
「受診の目安」を具体的に書く
更年期障害は、更年期に現れる症状により日常生活に支障を来す状態と定義されています。「日常生活に支障が出ているか」は、受診の分かりやすい目安になります。たとえば、眠れない日が続く、仕事や家事に集中できない、といった場面を挙げると、「行くほどではない」と考える方にも届きやすくなります。目安の判断は個人差があるため、最終的には医師の診察で決まる旨も書き添えましょう。
診察の流れと費用を先に伝える
初めての受診では、何を聞かれるのか、どんな検査があるのか、費用はどのくらいかが、不安になりやすい点と想定されます。診察の流れを順に書き、費用の目安を載せましょう。保険診療か自費かで、広告で求められる記載が変わります。自費の場合は、費用、期間・回数、主なリスクを同じページに載せる必要があります。
診療科の迷いに答える
厚生労働省の学習資材は、更年期障害に悩む人は様々な診療科を受診する可能性があると述べています。調査でも、更年期症状で受診した女性の40〜50代では、「婦人科等」「内科」の順に割合が高いと報告されています。ページには、「どの科に相談すればよいか迷う方もご相談ください」という趣旨の案内を置き、婦人科で相談できる症状の例を示すと、迷いが減ります。
予約や相談の入口を作る
受診をためらう方には、いきなり予約を迫るより、気軽に相談できる入口が合います。電話での問い合わせ先、予約フォーム、初診の流れの案内を、ページの上下に置きましょう。予約までの数字の見方は、婦人科のホームページで見るべきKPIで解説しています。
院内で実践するなら、更年期の患者さんが初診で最初に話される言葉を、受付と看護師と医師の3人でそれぞれ3つ書き出し、共通する言葉をページの見出しにしてみてください。
自費メニューのページの作り方は、無料のテンプレートも参考にしてください。資料・レポートを受け取る ›
更年期外来の集患で広告に気をつけること
更年期外来のページも、医療広告ガイドラインの対象です。特に、診療メニューの名称と、効果や体験談の扱いに注意が必要です。詳しくは、婦人科の広告規制の記事で整理していますが、ここでは更年期に関わる要点をまとめます。
「更年期外来」という表記
Q&Aでは、「糖尿病外来」「認知症外来」のような「○○外来」という表記は、広告できる診療科名と誤認を与えるおそれがあるため、そのままでは広告できないとされています。ただし、患者さんが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトでは、広告可能事項の限定解除の要件を満たせば使えます。
限定解除では、問い合わせ先の明示が求められ、自由診療の場合は、治療内容、標準的な費用、期間・回数、主なリスクや副作用の記載も必要です。保険診療のメニューでは、後者の記載は求められません。オンライン診療の専用ページの作り方と広告の注意点は婦人科のオンライン診療の集患にまとめています。
効果の断定や体験談を避ける
治療の効果に関する表現は、原則として広告できません。Q&Aには、「2週間で90%の患者で効果がみられます」のような表現を広告できないとする例があります。患者さんの体験談も、医療広告としては認められません。更年期は、つらい症状から回復した体験談を載せたくなりがちな分野ですが、この点は特に注意してください。医薬品の商品名も広告できません。
症状チェックの書き方
「あなたは更年期かも」と判断できるチェック表は、患者さんの関心を引きます。しかし、厚生労働省の学習資材は、一見更年期症状に見えても原因が他の病気の場合があり、心身の不調を全て更年期障害と判断してしまわないよう注意が必要だと述べています。チェックの結果は、「診断ではなく、受診の目安」と明記し、気になる方は受診を勧める書き方にしましょう。
更年期外来の集患はホームページ以外の接点も整える
更年期の患者さんは、検索だけでなく、地図検索や友人の紹介でも受診先を探します。他の接点も整えると、情報に出会う機会が増えます。
地図検索と広告とAI検索
近くの婦人科を地図検索で探す方が、診療時間や口コミで比較するのは、他のメニューと同じです。整え方は、婦人科のMEO対策の始め方をご覧ください。リスティング広告を使う場合は、婦人科のリスティング広告で、広告文の範囲とキーワードの考え方を整理しています。AI検索への備えは、婦人科のLLMO対策で扱っています。
- 更年期のページに「更年期外来」の表記や効果の断定がないか確認する
- 受診の目安と、診察の流れ・費用の目安がページにあるか確認する
- 症状チェックがある場合は、診断ではなく目安だと明記されているか確認する
※リスティング広告とは、検索した人の画面に出て、クリックされると費用がかかる広告です。
※AI検索とは、AIが質問に文章で答えてくれる検索サービスです。
更年期外来の集患でよくある質問
更年期外来の集患について、院長・事務長からよくいただく4つの質問にお答えします。
更年期は何歳ごろの方が対象ですか?
厚生労働省の学習資材では、更年期は閉経を挟んだ前後約10年間で、45〜55歳が目安とされています。日本人の閉経は51歳前後と考えられていますが、閉経年齢には個人差があります。ホームページでは、年齢で線を引きすぎず、症状に悩む40〜50代の方に広くご相談いただける案内にしましょう。
「更年期外来」と名乗ってもよいですか?
そのままでは広告できる診療科名と誤認を与えるため、広告できません。ただし、患者さんが自ら求めて見るホームページでは、限定解除の要件を満たせば使えます。検索連動型広告やチラシでは使えないため、診療科名などの広告可能な表現にとどめてください。
症状チェックで「更年期の可能性が高い」と示してもよいですか?
厚生労働省の学習資材は、更年期症状に見える不調でも原因が他の病気の場合があり、全てを更年期障害と判断しないよう注意を促しています。結果は診断ではなく、受診を考える目安として示し、気になる方は医師の診察を受けるよう案内してください。個別の表現は医師にご確認ください。
40代と50代で書き分けたほうがよいですか?
調査では、診断された割合は40代で3.6%、50代で9.1%、可能性を感じている割合は40代で28.3%、50代で38.3%と、年代で差がありました。40代は「もしかして更年期かも」と気づく入口、50代は診断や治療を検討する入口として、見出しや導入文を書き分ける案が考えられます。これは調査の数字をもとにした編集部の案で、効果を確認したものではありません。
更年期外来の集患のまとめ
更年期は、症状があっても受診していない方が多い領域です。症状の言葉で入口を作り、受診の目安、診察の流れ、費用を先に伝え、広告のルールを守る。この流れが、受診をためらう方への最も確かな案内になります。
- 症状がある50代女性の78.9%が受診していない(国の調査)
- 症状の言葉、受診の目安、診察の流れと費用を先に伝える
- 「更年期外来」の表記や効果の断定は、広告のルールを確認する

自費メニューLPテンプレート
自費診療メニューのランディングページを作るための構成テンプレートです。見出しの順序、入れるべき情報、医療広告ガイドラインの注意点をまとめます。
無料でダウンロード参考文献・出典
本記事で参照した公的資料などの一覧です。リンクは2026年10月17日に開いて内容を確認しました。
- 厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)」(2022年)
- 厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査 基本集計結果」(2022年7月26日)
- 厚生労働省「更年期世代の女性の健康支援に関する学習資材(女性の健康相談に関わる方向け)」
- 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」
- 厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」
- 検索需要の数字は、Googleトレンド(日本・週次の相対指数・2026年10月16日時点)をもとにした自社集計
更新履歴
- 2026年10月17日 本文を公開しました
- 2026年10月20日 専門用語に注釈を追加しました
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※本ページは公的資料に基づく一般的な解説であり、個別の法的判断は専門家にご相談ください。


