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婦人科リスティング広告の予算|新患1人にかけられる上限からの決め方

婦人科リスティング広告の予算|新患1人にかけられる上限からの決め方
最終更新 2026.10.24 ・ 公開 2026.10.20

このコラムは、マイセレが医療機関の集患を支援してきた実績から得た独自の知見をもとに、編集部が書いています(編集方針)。公的な統計や資料の数字は、出典を明記しています。

リスティング広告を始めたいが、月にいくら用意すればよいのか分からない。広告会社に聞くと「まず30万円くらいから」と言われたが、その金額が自院に合っているのか判断できない。婦人科の経営者や事務長から、こうした相談をよく受けます。

結論から言うと、予算は相場から決めるのではなく、新患1人にかけられる上限から逆算して決めます。新患1人あたりの売上や粗利、通院の続き方は院ごとに違うため、他院の金額をそのまま当てはめても合いません。この記事では、逆算の計算式と記入例、Google広告の日予算と月の上限の仕組み、配分や見直しの考え方を整理します。記入例の数字はすべて、説明のための架空の仮の数字です。

30秒でわかる要約

広告費は、新患1人にかけられる上限(許容獲得単価)から逆算して決めます。

  • 許容獲得単価は、新患1人あたりの粗利に、広告へ回してよい割合を掛けて出す
  • Google広告では、日予算の2倍が1日の上限、日予算の30.4倍が月の上限になる
  • 最初は少額で始め、数字を見ながら増やす・止めるを決める
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※リスティング広告とは、検索した人の画面に出て、クリックされると費用がかかる広告です。

婦人科のリスティング広告の予算は新患1人の上限から逆算する

予算を決める前に、そもそも広告で新患を1人増やすのにいくらまで払えるのかを決めます。この章では、逆算の考え方と、なぜ相場ではなく自院の数字から始めるのかを説明します。

広告費の決め方には、売上の何%と先に決める方法や、前年と同じ額を置く方法もあります。ただ、婦人科は初診の内容、自費診療の有無、再診で通う回数が院ごとに大きく違います。新患1人から得られる粗利が違えば、払える広告費の上限も変わります。この上限を、この記事では許容獲得単価と呼びます。

院内でよくある場面

たとえば、広告会社から「同じ地域の他院は月30万円ほど使っています」と言われたとします。その金額が自院に合うかは、新患1人に何円まで払えるかが分からないと判断できません。まず自院の数字を出すことが、広告会社との話し合いの土台になります。

許容獲得単価の逆算の流れ。新患1人の粗利を出し、広告に回せる割合を決め、許容獲得単価を出し、月の新患目標を掛けて月予算にする4つの手順

婦人科のリスティング広告の予算の計算式と記入例

逆算の手順を、計算式と記入例で示します。表の数字はすべて架空の仮の数字で、実在の院の実績でも業界の平均でもありません。自院の数字に置き換えて使ってください。

許容獲得単価を出す計算式

新患1人あたりの粗利は、初診の売上と、再診で通う回数の平均から出します。許容獲得単価=新患1人あたりの粗利×広告に回してよい割合です。広告に回してよい割合は、人件費や家賃などの固定費、広告以外の集客費を引いたあとに残す利益を考えて、院で決めます。

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項目記入例(仮の数字)自院の数字
初診の売上8,000円
再診1回の売上6,000円
再診で通う回数の平均(継続の度合い)2回
新患1人あたりの平均売上20,000円(8,000+6,000×2)
粗利率60%
新患1人あたりの粗利12,000円(20,000×60%)
広告に回してよい割合50%
許容獲得単価6,000円(12,000×50%)
月に増やしたい新患の人数10人
月の予算の上限60,000円(6,000×10人)
※表の数字はすべて説明のための架空の仮の数字です。実際の売上・粗利・継続率は院ごとに異なります。

広告の成果から実際の獲得単価を見積もる

許容獲得単価が決まったら、実際にその範囲に収まりそうかを見積もります。広告費は、クリックされた分だけかかります。そのため、1クリックの費用、クリックから予約になる割合、予約から初診に来る割合の3つを掛け合わせて、新患1人あたりの費用を出します。これも仮の数字の例です。

項目記入例(仮の数字)
1クリックの費用150円
クリックから予約になる割合3%
予約から初診に来院する割合80%
新患1人あたりの獲得単価約6,250円(150÷0.03÷0.8)
許容獲得単価6,000円
※すべて架空の仮の数字です。実際の数字は広告の管理画面と予約の記録から自院で測ります。

この例では、見積もりの獲得単価が許容獲得単価をわずかに上回っています。この差が出たら、予算を増やす前に、予約になる割合や来院の割合を上げられないかを先に見直します。クリックの費用を下げる、リンク先の予約ページを分かりやすくする、予約の確認連絡を丁寧にする、といった手が考えられます。リンク先や数字の見方は、婦人科クリニックのホームページで見るKPIの記事も参考にしてください。

実践ポイント

院内で実践するなら、まず直近の新患の初診売上と、再診の通院回数を会計の記録から拾い、表の自院の欄を埋めてください。粗利率が分からない場合は、院長と事務長で、広告に回してよい上限額を先に話し合うところから始められます。

婦人科のリスティング広告の予算|日予算と月予算と入札戦略

許容獲得単価から月の予算が決まったら、Google広告の仕組みに合わせて日予算に置き換えます。この章では、Google広告の公式ヘルプをもとに、日予算と月の上限、入札戦略の考え方を整理します。

※入札戦略とは、広告にいくらまで払うかを決める設定です。

日予算と月の上限の仕組み

Google 広告ヘルプの「入札単価と予算の設定」によると、予算はキャンペーンで1日に使ってもよい平均費用の額で、キャンペーンの費用の上限になります。月単位の予算は、1日の予算に約30.4(1か月の平均日数)を掛けて算出できるとされています。

「費用の上限について」では、1日の費用の上限はほとんどのキャンペーンで1日の平均予算の2倍、1か月の費用の上限は1日の平均予算に30.4を掛けた額と説明されています。

つまり、日予算は「その日の上限」ではなく「1日の平均」で、月の上限は日予算×30.4です。先ほどの記入例なら、月の予算の上限60,000円を30.4で割って、日予算は約1,970円になります。「超過配信と 1 日の平均予算について」では、トラフィックの変動によって、ある日の費用が1日の平均予算の2倍になることがあるものの、月末時点で1日の平均予算の30.4倍を超える費用は発生しないと説明されています。上限を超えた配信分は、ヘルプでは請求されないと案内されています。

Google広告の日予算と月の上限の仕組み。1日の平均予算、1日の上限は2倍、月の上限は30.4倍、上限を超えた分は請求されない

入札戦略は計測の状況に合わせて選ぶ

入札戦略は、広告をどんな目的で、どう入札するかを決める設定です。「目標に合わせた入札戦略を選択する」によると、コンバージョン重視の戦略には、コンバージョン数の最大化や目標アクション単価などがあり、クリック重視の戦略には、クリック数の最大化や個別クリック単価制などがあります。

コンバージョン重視の入札を使うには、コンバージョントラッキングが正しく設定されていることが前提とされています。また、目標アクション単価などは、コンバージョンのデータが十分にたまっていない新規キャンペーンには不向きとされ、その場合の選択肢としてクリック数の最大化が挙げられています。

予約の計測を整えてから、コンバージョン重視の入札に進むという順番が、公式の説明と合います。電話予約や予約システムの完了をどう計測するかは、事前に院内で決めておきましょう。

※コンバージョンとは、サイト上で得たい成果で、予約や問い合わせなどのことです。

婦人科のリスティング広告の予算をメニュー別とエリア別に配分する

月の予算の総額が決まったら、次はどこに使うかを分けます。この章では、診療メニューと診療圏に分けて考える手順を、編集部の考え方として示します。

メニュー別の配分

メニューごとに新患1人あたりの粗利が違うため、許容獲得単価もメニューごとに出せます。許容獲得単価が高いメニューには多く、低いメニューには少なく配分するのが基本の考え方です。たとえば、予約に近い検索の言葉が集まる「婦人科+地域+受診」の層を厚くし、自費診療のメニューはメニュー別にキャンペーンを分けて、数字を別々に見ます。キーワードの層の分け方は、婦人科のリスティング広告のキーワード設計で整理しています。

エリア別の配分

通院してもらえる範囲は、最寄り駅や徒歩・車での移動時間で決まります。直近の新患の住所を市区町村ごとに数え、来院の多い地域に配分を厚くします。遠い地域に広く出すと、クリックはあっても来院につながりにくいことがあります(編集部の見立て)。

配分の枠配分の考え方配分の記入例(仮の数字)
婦人科+地域+受診の言葉予約に近い層を厚くする60%(36,000円)
自費メニューの言葉許容獲得単価に合わせて配分する30%(18,000円)
テスト枠(新しい言葉やエリア)少額で試して数字を見る10%(6,000円)
※月の予算60,000円を配分する、架空の仮の数字の例です。割合は院の状況に合わせて決めてください。

婦人科のリスティング広告の予算の最初の置き方と見直す時期

最初から完璧な額を当てる必要はありません。この章では、最初の置き方と、いつ見直すかの目安を示します。

Google広告のヘルプでは、新しい予算を設定したら、少額から始めて毎日パフォーマンスを確認することが勧められています。さらに、「推奨予算を表示」機能は、通常は過去15日間のパフォーマンスを分析して推奨予算を示すと説明されています。最初は、逆算した月の予算の上限の中で、少なめの日予算から始めるのが無理のない置き方です。

見直しの頻度に公的な決まりはありません。編集部の見立てでは、最初の数週間は検索語句と予約の数字を週ごとに確認し、そのあとは月ごとに、許容獲得単価と実際の獲得単価を並べて見直すのが現実的です。

今週やること

広告の管理画面で、日予算と月の上限(日予算×30.4)を書き出し、逆算した月の予算の上限と合っているかを確認します。予約の記録に「広告から」の項目があるかも見ておきましょう。

婦人科のリスティング広告の予算を少額から始めるときの注意

予算が限られているクリニックでは、少額から始めることが多いはずです。この章では、少額で始めるときに起きやすいことと、先に決めておくことを整理します。

少額だと、1日にクリックされる回数が少なく、数字がたまるまで時間がかかります。公式の説明のとおり、コンバージョンのデータが十分でない新規キャンペーンでは、目標アクション単価のような戦略は不向きとされます。少額のうちは、クリック数の最大化など、データが少なくても使える戦略から始めるのが、公式の説明と合います。

あわせて、広げすぎないことが大切です。メニューもエリアも1つか2つに絞り、予約に近い言葉に集中します。判断が早すぎると誤った結論になるため、数字が少ない時期の増減だけで、広告が合う・合わないを決めないようにしましょう(編集部の見立て)。

婦人科のリスティング広告の予算と運用手数料の見方

広告会社に運用を任せる場合は、広告費とは別に運用手数料がかかることがあります。ここでは、一般的な仕組みと確認したい点だけを説明し、金額の相場には触れません。リスティング広告の出稿手順と医療広告ガイドライン対応は、婦人科のリスティング広告の出稿方法で詳しく解説しています。

運用手数料の決め方には、広告費に対する割合で決める方式や、毎月の固定額で決める方式などがあります。契約によって違うため、見積書の中身を確認します。広告費と手数料を分けて見て、手数料を除いた額が実際に広告に使われる金額だと理解しておくと、許容獲得単価の計算を間違えません。リスティング広告の準備から運用・やめどきまでについては、婦人科リスティング広告の始め方も参考になります。

契約前に確認したいのは、次の点です。広告費の請求元と支払いの流れ、手数料の計算の対象と最低額の有無、広告アカウントの所有者が誰か、解約したときにデータを引き継げるか、レポートの内容と頻度、広告文を院に確認してから出す流れがあるか、です。

婦人科のリスティング広告の予算を増やす判断と止める判断

予算を増やすか、止めるか、そのままにするか。この章では、判断の目安を、許容獲得単価との比較で整理します。数字の目安は院ごとに違うため、基準は自院の数字で決めます。

増やしてよい場面

実際の獲得単価が許容獲得単価に収まり、予約の枠にも余裕がある場合は、増やす候補になります。増やすのは、獲得単価が許容内で、診察の枠に空きがあるときです。一度に大きく増やさず、段階的に増やして数字の変化を見ます。

止める・見直す場面

許容獲得単価を長く上回り続けているなら、止める前に、まず原因を切り分けます。計測が正しいか、リンク先が予約につながるか、関係のない検索語句に出ていないか、広告文が受診の意図に合っているかを確認します。それでも改善しない場合に、配分を減らす、または止めることを検討します。診察の枠が埋まっているのに広告で予約が入り続ける場合も、いったん予算を抑える判断になります。

婦人科のリスティング広告の予算で守る医療広告とポリシーの要点

広告費を増やす前に、広告の中身が規制に沿っているかの確認が必要です。ここでは要点だけを示し、詳しくは別の記事に案内します。

注意

リスティング広告も医療広告の対象で、広告文は広告可能事項の範囲で書く必要があります。あわせて、Google広告にもヘルスケアに関する独自のポリシーがあります。ポリシーは変わることがあるため、出稿前と変更のたびに最新の内容を確認してください。

医療広告ガイドラインとGoogle広告ポリシーの詳細は、婦人科の広告規制の記事にまとめています。自院の集客(集患)施策全体は、婦人科の集客の記事から確認できます。

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婦人科のリスティング広告の予算でよくある質問

婦人科のリスティング広告の予算について、院長や事務長が迷いやすい疑問にお答えします。

リスティング広告の予算は月いくらから始められますか?

公的な最低額や標準的な額は示されていません。金額は、許容獲得単価と月に増やしたい新患の人数から自院で逆算します。Google広告のヘルプでは、少額から始めて毎日確認することが勧められています。

日予算を超えて請求されることはありますか?

Google広告のヘルプによると、トラフィックの変動で、ある日の費用が1日の平均予算の2倍になることがあります。ただし、月の上限は1日の平均予算の30.4倍で、これを超える請求はされないと説明されています。

広告会社の運用手数料は予算に含まれますか?

契約によって違います。広告会社に支払う額のうち、広告に使われる額と手数料の額を分けて、見積書で確認してください。許容獲得単価の計算には、手数料を含めた総額で考えると安全です(編集部の見立て)。

成果が出ないときはまず予算を増やすべきですか?

先に原因を切り分けることをお勧めします。実際の獲得単価が許容獲得単価を上回っているときに予算を増やすと、赤字の幅が広がります。計測、リンク先、検索語句、広告文を順に見直してください。

婦人科のリスティング広告の予算のまとめ

婦人科のリスティング広告の予算は、新患1人にかけられる上限から逆算し、日予算と月の上限の仕組みに置き換えて、数字を見ながら増減するという流れで決めます。相場に合わせるのではなく、自院の数字を出すことから始めてください。

この記事の要点
  • 許容獲得単価=新患1人あたりの粗利×広告に回してよい割合
  • Google広告は、日予算の2倍が1日の上限、日予算×30.4が月の上限
  • 最初は少額で始め、獲得単価と許容獲得単価を並べて見直す
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参考文献・出典

本記事で参照したGoogle広告の公式ヘルプと公的資料の一覧です。リンクは2026年10月20日(追加分は2026年10月22日)に開いて内容を確認しました。

更新履歴
  • 2026年10月20日 本文を作成しました
  • 2026年10月20日 専門用語に注釈を追加しました
  • 2026年10月22日 医療広告の説明の裏付けとして、厚生労働省の医療広告等ガイドラインを参考文献に追加しました(最終確認日 2026年10月22日)
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※本ページは公的資料に基づく一般的な解説であり、個別の法的判断は専門家にご相談ください。