婦人科の待ち時間を減らす方法|順番予約と事前問診の使い方

このコラムは、マイセレが医療機関の集患を支援してきた実績から得た独自の知見をもとに、編集部が書いています(編集方針)。公的な統計や資料の数字は、出典を明記しています。
予約を取っていても、受付から診察まで思ったより待たされる。待合室が混み合う時間帯は、スタッフも患者さんも落ち着かない。婦人科では、症状や体のことを話す前の待ち時間が長いほど、不安を感じる患者さんもいます。待ち時間は、運営の問題であると同時に、患者さんの印象を左右する場面でもあります。
結論から言うと、婦人科の待ち時間は、「原因を4つの場面に分けて測る」「順番予約や事前問診など、場面に合う方法を選ぶ」「電話や窓口も残して周知する」の3つで減らしやすくなります。ただし、効果の大きさは院ごとに違います。この記事では、厚生労働省の調査、個人情報保護委員会などの一次情報、デジスマ診療の公式ページをもとに整理しました。
待ち時間は、受付・問診・検査と診察・会計の4つの場面に分けて測り、場面に合う方法で減らします。効果の大きさは院ごとに違うため、自院の数字で確かめます。
- 厚生労働省の調査では、外来患者が不満とする項目で「診察までの待ち時間」が最も高かった
- 対策は順番予約や時間予約、スマホ受付、事前問診、会計の短縮、院外待機の5つで、高齢の方や不慣れな方のために電話・窓口も残す
- 導入後は、自院で測った待ち時間と予約完了率を、定義を決めて毎月見る
婦人科の待ち時間を減らすと患者さんの安心につながる理由
最初に、待ち時間が患者さんにとってどんな意味を持つのかを整理します。ここでは、公的な調査で確認できる事実と、編集部の見立てを分けて書きます。
外来患者の不満で最も多かったのは待ち時間
厚生労働省の令和5年(2023年)受療行動調査では、外来患者に項目別の満足度を聞いており、「不満」と答えた人の割合が最も高かったのは「診察までの待ち時間」の25.5%でした。なお、この調査の対象は全国の一般病院の患者さんで、クリニックや婦人科に限った結果ではありません。
自院にそのまま当てはまるとは限らない点に注意してください。詳しくは受療行動調査の概況(厚生労働省)で確認できます。
予約できる・当日待たない・呼び出しが分かる
ここからは編集部の見立てです。婦人科は、受診そのものに心理的なハードルを感じる方がいる診療科です。そのため、次の3点は患者さんの不安を減らしやすいと考えられます。
- 予約できる。来院しても診てもらえるか分からない不安が減る
- 当日待たない。待合室で長く過ごす負担が減る
- 来院前に呼び出しが分かる。院内で待つ時間を自分で決められる
待ち時間の短縮が、新患の選ばれやすさや再診の継続にどれだけ影響するかは、院の立地や診療内容、患者層で変わります。この記事では、効果の大きさや数字を断定しません。自院の予約数や再診の動きで確かめてください。
再診の動きを整える考え方は、婦人科のLINE予約の記事でも扱っています。
婦人科の待ち時間を減らす前に知りたい4つの原因
対策を選ぶ前に、待ち時間がどこで生まれているかを分けて考えます。場面ごとに効く方法が違うためです。

図の4つの場面は、編集部が一般的な外来の流れから整理したものです。実際にどこで時間がかかっているかは、院の運営によって異なります。
受付に患者さんが集中する
診療の開始直後や昼休み明けなど、来院が重なる時間帯は、受付の列ができやすくなります。電話予約の対応と窓口の受付が同じスタッフに集まると、さらに処理が遅れます。
問診の記入と確認に時間がかかる
初診で紙の問診票を書く時間や、記入内容を院内で確認し直す時間も、待ち時間に含まれます。月経や妊娠の可能性など、確認する項目が多い診療科では、この場面が長くなることがあります。
検査と診察の順番を待つ
超音波検査や採血などがある日は、診察室と検査室の流れが重なります。診察の時間そのものの長さは、患者さんの状態によって変わるため、ここは短縮しにくい場面です。
会計と処方の手続きで並ぶ
診察が終わったあとも、会計の窓口で待つことがあります。現金のやり取りや、次回予約の確認が重なると、帰るまでの時間が延びます。
婦人科の待ち時間を減らす対策5つ
原因が分かったら、場面に合う方法を選びます。対策は次の5つで、一番長い場面に合う1つから試すのが無理のない進め方です。
順番予約と時間予約を使い分ける
時間予約は、来院の時間帯をばらして受付への集中を和らげる方法です。順番予約は、到着順や受付順で呼び出す方法で、時間が読みにくい検査や処置がある日に向いています。デジスマ診療の公式ページでは、1分単位の予約枠の設定に加えて、順番待ち予約と時間帯予約のどちらも利用できると案内されています。どちらを使うかは、診察の長さのばらつきで決めるのが現実的です。
スマホで受付を済ませてもらう
来院してから窓口で受付をする代わりに、スマホで受付を済ませる方法です。デジスマ診療の公式ページには、QRコードの読み取りやボタン操作で受付ができる自動受付が載っています。窓口の受付が減れば、スタッフは対応が必要な方に時間を使えます。
事前問診で来院前に書いてもらう
事前問診は、来院の前に問診を書いてもらい、院内での記入時間と転記を減らす方法です。公式ページでは、診療科別の標準設問に加えて独自の設問を作成でき、アプリやメールで問診を依頼できると説明されています。婦人科では、月経周期や妊娠の可能性など、聞く項目をあらかじめ整えておくと、診察での確認がスムーズになります。
会計の手間を短くする
会計は、事前に登録した決済方法で自動精算する仕組みを使うと、窓口の手続きを減らせます。デジスマ診療には、患者さんが登録したクレジットカードから診察費を自動で決済する「デジスマ払い」があります。現金の支払いを希望する方のために、窓口での会計も残しておきます。
院外で待ってもらう
待合室の混雑を減らすには、順番が近づくまで院外で過ごしてもらう方法があります。公式ページには、診察待ちと診察中の受付番号を院内に掲示できる機能も載っています。スマホで自分の順番を知らせる仕組みは、ツールによって有無が異なるため、導入前に画面と運用を確認してください。
院内で実践するなら、まず1週間、受付から診察室に入るまでの時間を紙に記録します。そのうえで、一番長い場面に合う方法から1つだけ試すのが、無理のない進め方です。
婦人科の待ち時間を減らすツールの種類を比べる
ツールは、種類ごとに得意な場面が違います。優劣をつけるのではなく、自院の原因に合う種類を選ぶための比較表です。
| 種類 | 主に効く場面 | 向いている院 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 電話予約と窓口受付 | 特になし(従来の方法) | 電話や窓口で相談したい方が多い院 | 対応が受付に集中しやすい |
| 時間予約 | 受付への集中 | 診察時間が読みやすい院 | 遅れが出ると後ろの時間に響く |
| 順番予約(順番待ち) | 待合室の混雑 | 来院が不規則で、処置や検査の長さがばらつく院 | 待ち順の目安を患者さんに伝える工夫が要る |
| スマホでの受付 | 窓口の受付 | 窓口の列を減らしたい院 | スマホに不慣れな方への窓口対応を残す |
| 事前問診 | 問診の記入と確認 | 初診が多い院 | 聞く項目と個人情報の扱いを決めておく |
| キャッシュレス決済・自動精算 | 会計 | 会計窓口が混む院 | 現金で払いたい方への対応を残す |
1つのシステムで予約から決済までまとめる場合
予約・受付・問診・会計を1つの仕組みでまとめて扱えるものもあります。たとえば、エムスリーデジカルのデジスマ診療の公式ページでは、予約(順番待ち予約・時間帯予約・Googleマップからの予約など)、自動受付と受付番号の院内掲示、事前問診、デジスマ払い(自動精算)、予約リマインドなどのお知らせ配信が紹介されています。
電子カルテのエムスリーデジカルと連携しなくても利用できるとも書かれています。ここでは公式ページに載っている機能名だけを書いており、他のサービスとの優劣は示していません。料金や婦人科での使い勝手は、問い合わせて確認してください。
LINEなどの既存の連絡手段を使う場合
専用のシステムを入れる前に、すでに使っている連絡手段で予約の案内を整える方法もあります。LINE予約の進め方では、導入の考え方を整理しています。
婦人科の待ち時間を減らす導入前の準備
方法を決めたら、使い始める前の準備が結果を左右します。ここで押さえたいのは、スタッフへの周知と、スマホに不慣れな方への対応です。

スタッフへの周知と役割の整理
受付、看護師、医師で、新しい仕組みのときに誰が何をするかを決めます。たとえば、順番の呼び出し、スマホ受付の方の確認、問診内容の確認は、担当を分けておくと混乱が減ります。操作の練習は、診療のない時間にスタッフ同士で行います。
高齢の方やスマホに不慣れな方への併用
たとえば、スマホ受付を始めた日に、窓口で「どうすればいいのか分からない」と立ち止まる方が出たとします。スタッフが声をかけて、その場で受付を手伝う流れを決めておくと安心です。
電話予約と窓口での受付は、導入後も残すのが基本です。ホームページや院内の掲示に、予約の方法が複数あることとあわせて載せておきます。ホームページでの案内は、婦人科のホームページ作成の記事もご覧ください。
婦人科の待ち時間を減らす施策の効果を見る数字
導入したら、数字で確かめます。自院で定義を決めて同じ方法で測ると、効果の有無や、見直す場面が分かります。
来院時の待ち時間を自院で測る
待ち時間は、「受付をした時刻から、診察室に入った時刻まで」と定義して測ります。方法は、受付時に受付票へ時刻を書き、診察室に入る際にもう一度時刻を書く、という簡単なもので構いません。予約の有無、初診か再診か、曜日と時間帯を一緒に残すと、どの場面で待ち時間が長いかが見えてきます。ここでの測り方は、編集部が提案する一例です。
予約完了率を見る
予約完了率は、「予約の画面を開いた人のうち、予約を最後まで終えた人の割合」と定義します。計算は、予約完了数を予約画面を開いた数で割ります。ホームページから予約するしくみなら、画面の表示数と完了数を計測ツールで確認できます。完了率が低い場合は、入力項目が多い、電話番号の入力で止まるなど、予約画面そのものに課題がないかを見直します。LINE予約を導入する前の確認項目をまとめたLINE予約導入チェックリストを無料で配布しています。
ホームページで見る数字は、婦人科のホームページで見るべきKPIにまとめています。
- 1週間分の「受付から診察室に入るまで」の時間を記録する
- 予約の電話と窓口が混む時間帯を、スタッフに聞いて書き出す
- 予約画面を開いた数と、予約が完了した数を並べて記録する
婦人科の待ち時間を減らす際の呼び出しと個人情報の配慮
婦人科では、受付で名前を呼ばれたくない、院内で他の人に症状が分かりにくいほうがよい、と感じる方がいます。呼び出しの方法を変えるときは、個人情報の扱いも確認します。
名前を呼ばない呼び出しを考える
個人情報保護委員会と厚生労働省が公表している「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」には、受付での呼び出しについて、患者の取り違え防止など業務上必要と考えられる一方で、患者の希望に応じて一定の配慮をすることが望ましいと書かれています。
番号での呼び出しや、スマホへの通知は、その配慮の一つの考え方です。ただし、個別の運用ができるかどうかは、院の体制や使うツールによって異なり、院ごとの判断になります。
問診や連絡で個人情報を扱うときの確認
同じガイダンスでは、問診票の記入を求める場合などに、あらかじめ利用目的を院内掲示などで示すことが求められると整理されています。事前問診や予約の連絡など、新しい手段を入れるときは、利用目的の公表の文面を見直します。外部のシステムに診療情報を預ける場合は、ガイダンスが示す「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」にそって、委託先の管理を確認します。
ホームページなどで「待ち時間が短い」と打ち出す場合は、その表現が医療広告にあたるかの確認が必要です。厚生労働省の医療広告等ガイドラインでは、患者の受診を誘引する意図があり、医療機関の名称が分かる情報は、広告にあたり得ると整理されています。院内の掲示や配布物は、すでに受診している患者さんが対象なので、通常は広告とみなされないとされています。広告の考え方は、婦人科の広告規制の記事で確認できます。
婦人科の待ち時間を減らす方法でよくある質問
院長や事務長からよくいただく質問に、お答えします。
順番予約と時間予約のどちらがよいですか?
どちらが優れているということはなく、診察の長さのばらつきや、来院の重なり方で選びます。診察の長さが読みやすければ時間予約、処置や検査で長さがばらつくなら順番予約が合うと考えられます(編集部の見立て)。併用できるツールもあります。
スマホに不慣れな患者さんにはどう対応しますか?
電話予約と窓口での受付を残します。窓口で、スタッフがスマホ受付を手伝える流れも決めておくと安心です。
待ち時間はどのくらい減りますか?
効果の大きさは、院の規模や運営、導入する方法で変わります。この記事では、出典のある数字がないため、減る時間の数字は示しません。導入前後で、受付から診察室に入るまでの時間を自院で測って確かめてください。
リマインドの連絡は広告になりますか?
予約の日時の案内のように、すでに受診している患者さんに向けた診療上の連絡は、院内の掲示などと同じく、通常は広告と見なされにくいと考えられます。ただし、新しい診療メニューの案内などを送る場合は、利用目的の範囲と医療広告の扱いを、ガイドラインで確認してください。
婦人科の待ち時間を減らす方法のまとめ
待ち時間は、受付・問診・検査と診察・会計のどこで生まれているかを測り、場面に合う方法を選ぶと減らしやすくなります。原因を測る、場面に合う方法を選ぶ、電話と窓口も残して数字で見直す。この3つを、効果の大きさは院ごとに違うという前提で進めてください。
- 外来患者の不満で「診察までの待ち時間」は最も高かった(病院が対象の調査)
- 順番予約・時間予約、スマホ受付、事前問診、会計の短縮、院外待機を、原因に合わせて選ぶ
- 呼び出し方法や個人情報の扱いは、ガイダンスを確認して院ごとに判断する
予約導線と合わせて口コミも整えたい方は、婦人科の口コミを増やす方法もご覧ください。集客(集患)全体の考え方は婦人科の集客にまとめています。
参考文献・出典
本記事で参照した公的資料と公式ページの一覧です。リンクは2026年10月20日に開いて内容を確認しました。
更新履歴
- 2026年10月20日 本文を作成しました(下書き)
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※本ページは公的資料に基づく一般的な解説であり、個別の法的判断は専門家にご相談ください。


