婦人科の集客方法|オフラインとWebの使い分けと医療広告の注意点

このコラムは、マイセレが医療機関の集患を支援してきた実績から得た独自の知見をもとに、編集部が書いています(編集方針)。公的な統計や資料の数字は、出典を明記しています。
看板を新しくしたものの新患が増えたのか分からない、Web広告を始めたがチラシとどう関係するのか整理できていない、という声は、院長や事務長からよく聞かれます。婦人科の集客(集患)は、看板やチラシで地域に名前を知ってもらう手段と、Webで探す人に選ばれる手段を、役割を分けて組み合わせると進めやすくなります。
この記事では、婦人科の集客の手段をオフラインとオンラインに分けて整理し、医療広告ガイドライン上の注意、組み合わせ方、優先順位、効果の測り方まで順に紹介します。対象は婦人科外来(検診や自費メニューを含む)で、分娩を扱う施設に特有の話は取り上げません。
婦人科の集客は、オフラインとオンラインの役割を分けて組み合わせると進めやすくなります。
- オフラインは商圏の人の目に入る手段、オンラインは今探している人に見つけてもらう手段で、役割が違う
- 看板・チラシ・ホームページ・SNSはいずれも医療広告ガイドラインの対象になるため、媒体ごとに書ける内容を確認する
- 手段は同時に増やさず、来院経路の聞き取りで自院の数字を測りながら1つずつ足す
婦人科の集客を始める前に決める商圏と目標
手段を選ぶ前に、だれにどこまで届けるのかと、何の数字で成果を判断するのかを決めておきます。ここが曖昧なままだと、どの手段も「やってはみたが分からない」で終わりやすくなります。
婦人科の集客で商圏をどう決めるか
商圏は、地図の上で円を描くよりも、自院に実際に来ている人から決めるほうが確実です。直近に来院した新患の住所を町名まで集計し、地図に落とすと、通ってくる範囲と、ほとんど来ていない範囲が見えてきます。看板やチラシの届け先は、この集計をもとに考えます。
商圏の広さは「何キロ圏」と一律に決められるものではありません。駅からの通いやすさや、通勤・通学の動線によって、同じ距離でも来院のしやすさが変わるためです。地域のとらえ方は、婦人科の認知と商圏の記事で詳しく解説しています。
院内で実践するなら、まず受付の記録から直近の新患の町名を一覧にし、地図に印を付けてみてください。印が集まる範囲が、看板やチラシの優先エリアの出発点になります。
目標は新患数と予約数で置く
目標は「認知を広げる」のような言葉ではなく、新患数と予約数で置きます。そのうえで、手段ごとに使った費用を、その手段から来た新患数で割ると、1人の新患にいくらかかったかが分かります。
相場の数字を先に決める必要はありません。まず自院の数字を1か月分そろえることが、手段を見直す土台になります。数字の置き方は、婦人科の新患を増やす考え方の記事にもまとめています。
婦人科と産婦人科で集客の考え方が違う点
分娩を扱う産婦人科は、妊娠中の通院や里帰りなど、数か月にわたる関係が前提になります。一方、婦人科外来は、検診、月経のトラブル、ピルや更年期の相談など、症状や目的ごとに探される傾向があります。
この記事は後者の婦人科外来を前提にしています。分娩を扱う施設では、紹介や母親学級など別の入口が加わるため、考え方を分けて確認してください。
婦人科の集客の全体像|オフラインとオンラインの違い
2つの違いを1枚の図で見たうえで、手段ごとの特徴を表で比べます。次の章からは、オフライン、オンラインの順に手段の中身を見ていきます。
患者さんが院を知って予約するまでの4つの段階
患者さんは、院を知り、探して比べ、予約し、来院して再診につながる、という段階を進みます。オフラインは主に「気づく」段階、オンラインは主に「探す・比べる」「予約する」段階を支えると整理すると、手段の役割が分かりやすくなります。

なお、厚生労働省の受療行動調査(令和5年・概数)によると、病院の外来患者のうち、ふだん医療機関にかかるときに情報を集めている人の入手先は、「家族・友人・知人の口コミ」が68.4%、「医療機関が発信するインターネットの情報」が28.8%、「医療機関の看板やパンフレットなどの広告」が5.6%でした(複数回答)。
この調査の対象は一般病院で、診療所は含まれないため、婦人科クリニックにそのまま当てはまる数字ではありません。参考値としてお読みください。
オフラインとオンラインの比較表
主な手段を、届く相手、費用の出方、測りやすさ、医療広告の注意度で並べました。なお、表に出てくるGoogleビジネスプロフィール、SEO、リスティング広告は、後の章で詳しく説明します。金額は媒体や地域で大きく変わるため、表には入れていません。
| 手段 | 届く相手 | 費用の出方 | 測りやすさ | 医療広告の注意 |
|---|---|---|---|---|
| 看板 | 通りかかる人 | △先に費用がかかる | △測りにくい | △対象。条例の確認も必要 |
| ポスティング・チラシ | 配布エリアの家庭 | △先に費用がかかる | ○専用QRで測れる | △対象 |
| 新聞折込・フリーペーパー | 購読エリアの世帯 | △先に費用がかかる | △測りにくい | △対象 |
| 交通広告 | 通勤・通学の人 | △先に費用がかかる | △測りにくい | △対象 |
| 紹介・院内掲示 | 来院中の患者さんや近隣の機関 | ◎抑えやすい | ○聞き取りで測れる | ○院内掲示は通常対象外 |
| Googleビジネスプロフィール | 地図で探している人 | ◎抑えやすい | ◎管理画面で見える | ○情報の正確さが前提 |
| ホームページとSEO | 症状や診療を調べる人 | ○制作と更新の費用 | ◎数字で見える | △対象。限定解除の確認 |
| リスティング広告 | 今検索している人 | ○出した分だけかかる | ◎数字で見える | △対象。審査もある |
| SNS | 院の雰囲気を知りたい人 | ◎抑えやすい | ○反応は見える | △対象になりうる |
| 予約システム・LINE | 予約する人・再診の人 | ○月額などが必要 | ◎予約数で見える | ○配信内容に注意 |
※Googleビジネスプロフィールとは、Googleマップや検索結果に出る、院の紹介欄です。
※SEOとは、Googleなどの検索結果で上位に表示させる対策です。
※リスティング広告とは、検索した人の画面に出て、クリックされると費用がかかる広告です。
婦人科の集客|オフライン編
看板やチラシなど、地域の生活圏で目に入る手段を、向く条件と注意点、測り方で整理します。費用は媒体や地域、規模で変わるため、金額は書かず、見積もりで確認する前提で説明します。

看板で通る人に知ってもらう
看板には、建物に付ける袖看板や案内看板、駅から院までの誘導看板があります。毎日同じ道を通る人に、院の存在と診療科を覚えてもらうのに向いています。
看板は、屋外広告物法に基づいて各自治体が定める屋外広告物条例の対象です。国土交通省の資料では、条例で広告物を禁止する区域や、許可を受けて表示する区域を定められるとされ、条例の例として電柱や街路樹などを禁止物件とする定めも示されています。許可の要否、大きさ、色の基準は自治体ごとに異なるため、設置前に自院の所在地の窓口で確認しましょう。
また、看板は医療広告ガイドラインでも広告の例に挙げられています。書ける内容は限られるため、後の章で詳しく説明します。
看板に「地域で一番」「最高の医療」などの表現を使うことはできません。院名、診療科名、診療時間、所在地など、書ける内容を先に確認してからデザインを決めてください。
ポスティングとチラシで商圏の家に届ける
ポスティングは、配布エリアを商圏に合わせて選べるのが特長です。開院の告知や、検診・自費メニューの案内のように、近隣の人に知ってもらいたい内容に向いています。配布を断る表示のある家への扱いは、配布会社に事前に確認しておきましょう。
チラシにQRコードを載せる場合、厚生労働省のQ&Aでは、QRコードを読み込んで表示されるウェブサイトも、インターネット上のウェブサイトと同様に広告規制の対象として扱うとされています。チラシだけでなく、読み取った先のページの表現も確認が必要です。
新聞折込とフリーペーパーで地域に届ける
新聞折込やフリーペーパーは、地域の世帯に広く届く手段です。どのエリアの何世帯に届くかは媒体ごとに異なるため、媒体社の資料で配布範囲を確認し、自院の商圏と重なっているかを見てから選びます。
費用は配布する部数やエリアによって大きく変わります。媒体社の料金表や見積もりで確認しましょう。
バス・電柱・駅の広告の考え方
通勤や通学の道に出る交通広告や屋外広告は、多くの人の目に入る一方で、先に費用がかかり、反応を測りにくい手段です。バスなどの車体に表示する広告も医療広告の対象です。厚生労働省のガイドラインでは、看板に含まれる広告の例として「電車、自動車等に記載されたもの」が挙げられています。
電柱への広告は、先に触れた条例で制限される場合があります。バスや電柱、駅構内の広告は、可否や費用が自治体や媒体社ごとに異なるため、自治体の窓口と媒体社に確認してから検討してください。
他院や地域とのつながりで紹介を増やす
近隣の内科、薬局、学校、産業医、助産師などとの関係は、広告費をかけずに紹介が生まれる入口になります。紹介してもらうには、どの症状や検査なら自院で受けられるかを、相手に分かりやすく伝えておくことが基本です。
紹介してくれた相手への謝礼や特典を設ける場合は、法令やガイドライン上の扱いが問題になることがあります。扱いは個別に判断されるため、自治体の医療広告の相談窓口などに確認してから進めてください。
地域イベントや健康講座で顔を知ってもらう
地域の健康講座や相談会は、院や医師の人柄を知ってもらう機会になります。ガイドラインでは、不特定多数の人への説明会や相談会で使うスライドや口頭の説明も、広告の対象となる例に挙げられています。
講座では、一般的な健康情報の説明を中心にし、院の宣伝に偏らない構成にします。内容の線引きに迷う場合は、事前に自治体の窓口に相談すると安心です。
院内掲示と配布物で来院中の患者さんに伝える
待合室の掲示や、院内で配るパンフレットは、すでに受診している患者さんが主な受け手です。ガイドラインでは、施設内の掲示や施設内で配るパンフレットは、通常は広告とは見なされず、情報提供や広報と解されると整理されています。
この性質を生かして、自費メニューの案内、予約の取り方、LINEの登録方法などを伝えておくと、再診や予約の取りこぼしを減らせます。口コミを依頼する場合は、見返りを付けない形にします。
オフライン施策の費用と効果の見方
オフラインの手段は、先に費用がかかり、反応が見えにくいのが弱点です。だからこそ、始める前に測る仕組みを決めておきます。受付や問診票での来院経路の聞き取りと、媒体ごとに分けたQRコードの2つが基本です。測り方は後の章で説明します。
ここまでの手段の背景や、開院時の考え方は、婦人科の開業時の集客の記事と婦人科のメディア取材の記事も参考になります。
婦人科の集客|オンライン編
検索や地図で今まさに探している人に見つけてもらい、予約まで迷わせないための手段を整理します。オンラインは、探している人に選ばれるための手段が中心で、やり方の詳細は、それぞれの個別記事で解説しています。
Googleビジネスプロフィールで地図から見つけてもらう
Googleビジネスプロフィールは、「地域名+婦人科」で探した人に最初に見られる場所です。Googleのヘルプでは、ローカル検索の結果は主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されるとされています(Googleビジネスプロフィール ヘルプ)。
診療時間や電話番号を正確に保つことが基本です。MEOの進め方は、婦人科のMEO対策の記事で解説しています。
※MEOとは、Googleマップの検索で自院を上位に表示させる対策です。
ホームページとSEOで症状から探す人に届ける
ホームページは、診療内容や医師の考え方を詳しく伝えられる場所です。SEOでは、症状や診療メニューごとにページを分け、患者さんの疑問に答える内容にします。
ホームページの作り方は婦人科のホームページ作成の記事、SEOの進め方は婦人科のSEOの記事にまとめています。
リスティング広告で今探している人に出す
リスティング広告は、始めた直後から表示できるのが特長です。一方で、広告の文面や飛び先のページも医療広告ガイドラインの対象になります。
始め方と広告表現の注意は、婦人科のリスティング広告の記事で紹介しています。
InstagramやYouTubeで院の雰囲気を伝える
SNSや動画は、院の雰囲気や医師の人柄を、受診前に伝える手段です。初診に不安を持つ人にとって、待合室や診察の流れを知っておけることは安心につながります。
投稿は広告として扱われる場合があるため、治療の効果を強調する表現や、体験談の掲載は避けます。Instagram運用の記事、YouTube運用の記事、SNS広告の記事を参考にしてください。
予約システムとLINEで予約までの迷いを減らす
予約の入口が分かりにくいと、せっかく興味を持ってもらっても予約に進めません。予約システムやLINEは、電話がつながらない時間帯でも予約を受けられ、再診のお知らせにも使えます。
選び方や設定は、婦人科の予約システムの記事と婦人科のLINE予約の記事で解説しています。
口コミを正しい方法で増やす
Googleの投稿ポリシーでは、口コミの投稿と引き換えに割引などのインセンティブを提供する行為が禁止されています(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)。依頼するときは、見返りを付けず、書くかどうかを患者さんが自由に決められる形にします。
また、集まった口コミを自院のホームページに載せることは、体験談の掲載として問題になるおそれがあります。後の医療広告の章で触れます。依頼の作法は婦人科の口コミを増やす記事にあります。
ポータルサイトと医療情報サイトを使う
病院や診療所を探せる外部のポータルサイトへの掲載は、無料のものと有料のものがあります。掲載内容は医療広告にあたる場合があるため、掲載前に表現を確認します。費用や条件は掲載先ごとに異なるので、各社に問い合わせて確かめましょう。
AI検索で院が紹介されるよう備える
AI検索でも、院の情報が正しく伝わるように備えます。Googleの検索セントラルには、AI機能とウェブサイトに関する公式の説明があります(AI機能とウェブサイト)。
特別な設定よりも、診療内容や所在地などの正確な情報を、ホームページにはっきり書いておくことが土台になります。LLMOの進め方は、婦人科のLLMO対策の記事で解説しています。
※AI検索とは、AIが質問に文章で答えてくれる検索サービスです。
※LLMOとは、ChatGPTなどの生成AIの回答に自院が取り上げられやすくする対策です。
オンライン手段の始めやすさ比較
オンラインの手段を、始めやすさ、必要な体制、反応が見えるまでの傾向で比べます。
| 手段 | 始めやすさ | 必要な体制 | 反応の見え方 |
|---|---|---|---|
| Googleビジネスプロフィール | ◎院内で始めやすい | 情報の更新担当 | 管理画面で表示や行動が見える |
| ホームページとSEO | △ページ制作が必要 | 制作と更新の担当 | 積み上げ型で時間がかかる傾向 |
| リスティング広告 | ○設定と審査が必要 | 運用と表現確認の担当 | 出した直後から表示される |
| SNS | ○アカウントがあれば始められる | 継続して投稿する担当 | 積み上げ型で時間がかかる傾向 |
| 予約システム・LINE | ○導入と設定が必要 | 運用の担当 | 予約数や登録数で見える |
広告やSNSの投稿は、ホームページと同じ医療広告ガイドラインの対象です。「他院より安心」などの比べる表現や、患者さんの体験談を載せることは避けてください。
婦人科の集客で守る医療広告ガイドライン|媒体別の注意点
看板からSNSまで、どの媒体で何に気をつけるかを、厚生労働省の原文に沿って整理します。個別の広告が適法かどうかを保証するものではなく、最終的な判断は最新の原文と自治体の窓口で確認してください。
広告にあたる媒体とあたらない場面
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、次の3つをすべて満たすものが医療広告にあたるとされています。
- 患者さんの受診などを誘引する意図があること(誘引性)
- 医療機関の名称などが特定できること(特定性)
- 医業や病院・診療所に関する内容であること
広告にあたる媒体の例として、チラシ、パンフレット、ダイレクトメール、ポスター、看板、インターネット上の広告、不特定多数への説明会などが挙げられています。院名が分かり、受診を促す内容であれば、看板もチラシもホームページも対象になりうると考えて準備しましょう。
一方、施設内の掲示や施設内で配るパンフレット、学術論文、通常の新聞記事などは、通常は広告とは見なされない例として示されています。ただし、費用を負担して掲載を依頼した記事風の広告は、広告として扱われます。
看板やチラシで書ける内容と限定解除
広告で書ける事項は、法令や告示で定められた「広告可能事項」に限られます。診療日、診療時間、予約による診療の実施の有無、院のウェブサイトのアドレスやQRコードなどは、広告可能事項に含まれます。
一方、患者さんが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどは、次の4つの要件を満たせば、広告可能事項以外も載せられる「限定解除」の対象になります。3つ目と4つ目の要件は、自由診療を紹介する場合に必要です。
- 患者さんが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどであること
- 問い合わせ先を記載するなど、容易に照会できるようにすること
- 自由診療の通常必要な治療内容や費用などを情報提供すること(自由診療のみ)
- 自由診療の主なリスクや副作用などを情報提供すること(自由診療のみ)
ガイドラインは、限定解除の対象になりうるものとして、ウェブサイト、メルマガ、患者さんの求めに応じて送るパンフレットなどを例示しています。一方、インターネット上のバナー広告や、検索結果に費用を払って表示するリスティング広告は、自ら求めて入手する情報にあたらないとされています。
チラシや看板は、ガイドラインが示す限定解除の対象の例には含まれていません。そのため、書ける内容は広告可能事項の範囲に絞って考えるのが安全です。判断に迷う場合は、自治体の医療広告の相談窓口に確認してください。
ホームページやSNSで特に気をつける表現
禁止の類型として、虚偽、他院と比べて優れていると示す表現、誇大な表現、公序良俗に反する表現、患者さんの主観に基づく体験談、治療の前後の写真などが定められています。
とくに、「日本一」「No.1」「最高」などの最上級の表現は、客観的な事実であっても比較優良広告として禁止されると明記されています。「地域で一番」のような表現も避けるのが安全です。
紹介や口コミの依頼で気をつける点
Q&Aでは、個人が運営するウェブサイトや第三者の口コミサイトに載った体験談は、医療機関が広告料を負担して掲載を依頼したといった事情がなく、誘引性が認められない場合は広告にあたらないとされています。
これに対し、医療機関が自院のウェブサイトに載せる口コミ(体験談)は、広告として禁止の対象になりえます。また、ステルスマーケティングも、実質的に広告と扱われる場合があります。
※ステルスマーケティングとは、広告であることを隠して行う宣伝です。
媒体別の注意点の一覧
| 媒体 | 気をつける点 |
|---|---|
| 看板 | 広告の例に含まれ、書ける内容は広告可能事項の範囲。屋外広告物条例の確認も必要 |
| チラシ・ポスティング | 広告の例に含まれる。載せたQRコードの先のウェブサイトも広告規制の対象 |
| ホームページ | 広告にあたる。体験談や前後写真、最上級の表現を載せない。限定解除は要件を満たした場合 |
| SNS・動画 | 院の名称が分かる投稿は広告にあたりうる。誇大な表現や体験談を避ける |
| 口コミ | 自院サイトへの転載は体験談の掲載にあたるおそれ。投稿の依頼は見返りを付けない |
| 院内掲示・院内配布物 | 通常は広告と見なされない。院外へ配る場合は広告になる |
厚生労働省は、医療機関のウェブサイトに虚偽や誇大な表示があった場合に情報を受け付ける窓口(医療機関ネットパトロール)を設けています。公開前に、表現を院内で複数人が確認する流れを作りましょう。
NGの表現の一覧と書き換えの考え方は、婦人科の広告規制の記事と婦人科の広告表現の書き換えの記事で解説しています。
本記事は一般的な情報提供であり、個別の広告の適法性を保証するものではありません。最新のガイドラインと自治体の窓口でご確認ください。
婦人科の集客でオフラインとオンラインを組み合わせる流れ
看板やチラシを見た人は、その場で予約するより、あとで院名を検索して確かめることが多いと考えられます(編集部の見立て)。紙とWebのつなぎ目を整えておくと、せっかく知ってもらった人を取りこぼしにくくなります。
看板やチラシからQRコードと院名検索へつなぐ
紙から予約までは、順番が大切です。看板やチラシで院を知り、QRコードや院名の検索でホームページや地図にたどり着き、そこで予約につなげます。

チラシのQRコードは、トップページではなく、チラシで伝えた内容に合うページ(検診の案内なら検診のページ)に飛ばすと、読み取った人が迷いません。
紙とWebで同じ内容をそろえて迷わせない
診療時間、予約の方法、院名の表記、電話番号は、チラシ、Googleビジネスプロフィール、ホームページで一致させます。どれかが古いと、来院前の患者さんが混乱します。
たとえば、チラシに載せた診療時間が、改装後に変わったのにGoogleマップは古いまま、という場面があります。電話の問い合わせが増え、受付が案内に追われるうえ、せっかくの来院意欲も下がってしまいます。
「紙で知り、検索で確かめ、予約システムで取る」を一本の線として整えておくと、手段ごとの担当がばらばらでも、患者さんには迷いのない案内になります(編集部の見立て)。
婦人科の集客の優先順位|院の状況別の進め方
全部の手段を一度に始める必要はありません。院の状況ごとに、最初の一手を決めましょう。

開院直後なら土台づくりと開院の告知
開院直後は、Googleビジネスプロフィール、ホームページ、予約の入口という土台を先に整えます。そのうえで、近隣への告知としてチラシや看板を検討します。時期別の優先順位は、婦人科の開業時の集客の記事で詳しく解説しています。
既存院で新患が伸び悩むなら来院経路を測る
すでに開院している院で新患が伸び悩んでいる場合は、新しい手段を足す前に、来院の経路を測ります。どの段階で患者さんが減っているかを見つけて、その段階から直すと、費用を抑えやすくなります。
自費診療を強めたいなら専用ページから
ピル外来やブライダルチェックなど自費診療を強めたい場合は、メニューごとの専用ページを用意します。限定解除の4つの要件を満たして書きます。問い合わせ先に加えて、通常必要な治療内容と費用、主なリスクや副作用をページに載せます。
予算と人手が少ないなら測りやすいものから
予算や人手が少ない場合は、費用を抑えやすく、測りやすい手段から始めます。院内で始めやすいGoogleビジネスプロフィールの整備と、来院経路の聞き取りが、最初の候補です。手段の選び方の考え方は、婦人科のマーケティングチャネルの選び方の記事にまとめています。
院内で実践するなら、今週中に、自院の状況が上の4つのうちどれに近いかを院内で話し合い、最初に取り組む手段を1つだけ決めてください。決めたら、その手段で測る数字も同時に決めておきます。
婦人科の集客の効果の測り方|来院経路と指標
オフラインの手段は数字が見えにくいため、測る仕組みを先に入れておくことが大切です。
来院経路の聞き取りを決める
いちばん手軽なのは、初診の患者さんに、当院を何で知ったかを聞くことです。受付や問診票に選択式の欄を設けます。個人情報の扱いに注意し、答えたくない人には無理に聞かない運用にします。

図は、実務に近い聞き取り票のイメージです(架空の記入例で、実在の院や患者さんの情報ではありません)。手順は次の3つです。
- 問診票に「当院を何で知りましたか」の欄を作る
- 選択肢に看板、チラシ、紹介、検索、地図、SNSなどを並べる
- 月末に、選択肢ごとの人数を数えて記録する
院内で実践するなら、まず来月の初診から、問診票に1行の選択式の質問を足してください。1か月分の記録がたまると、強い経路と弱い経路が見えてきます。
オフライン施策専用のQRコードとページ
チラシや看板には、媒体ごとに別のQRコード、または計測用のURLを使うと、どの媒体から何人が見に来たかを数えられます。計測の方法は、制作会社や担当者に相談して設定します。
月次で見る3つの数字
毎月見る数字は、次の3つに絞ります。経路別の新患数、予約に進んだ割合、院名の検索とビジネスプロフィールの表示です。
Googleビジネスプロフィールの数字の見方は、Googleのヘルプにまとまっています(パフォーマンスとインサイトを確認する)。指標の考え方は、婦人科のホームページで見るべきKPIの記事も参考になります。
婦人科の集客でやりがちな失敗と見直す点
手段を選ぶ前に、院内で直しておきたい点があります。よくある4つの失敗を紹介します。
手段を一度に増やして測れなくなる
チラシと広告とSNSを同じ月に始めると、どれが新患につながったのかが分からなくなります。1か月に1つずつ足すと、変化の原因を見分けやすくなります。
院内の安心感が置き去りになる
婦人科は、受付での声のかけ方、待合室で名前が呼ばれるときのプライバシー、診察室の様子など、院内の安心感が選ばれる理由になります。どの手段で知ってもらっても、来院したときの印象が悪いと再診につながりません。
たとえば、受付で用件を大きな声で聞き返してしまい、待合室の人に聞こえてしまう、という場面があります。集客の手段より先に、受付の応対や待合室の配置を見直すだけでも、来院後の印象は変わります。
表現を確認せずに出して指摘を受ける
チラシや看板、ホームページは、公開してからでは直す手間も費用も大きくなります。公開前に、医療広告ガイドラインに沿っているかを複数人で確認する流れを決めておきましょう。
単発で終わり続けられない
1回だけチラシを配って、やめてしまうと、効果の判断ができません。続けられる頻度と予算を最初に決め、数字を見ながら見直す前提で始めましょう。
婦人科の集客でよくある質問
婦人科クリニックの集客を進めるうえで、院長・事務長が迷いやすい5つの疑問にお答えします。
オフラインとWebはどちらから始めればよいですか?
どちらか一方を選ぶより、院の状況で決めます。開院直後は地図とホームページなどの土台を先に整え、既存の院は、来院経路を測ってから足りない所に手を打つと進めやすくなります。
看板やチラシには何を書いてよいですか?
広告で書ける事項は、法令などで定められた広告可能事項に限られます。診療科名、診療日・診療時間、予約の有無、所在地、ウェブサイトのアドレスなどが含まれます。個別の判断は、厚生労働省の原文と自治体の窓口で確認してください。
ポスティングやチラシは効果がありますか?
効果は、エリアや内容、配る時期で変わります。反応率には一律の目安がないため、来院経路の聞き取りや専用QRコードで、自院の数字を測って判断することをおすすめします。
予算や人手が少なくても取り組めますか?
取り組めます。Googleビジネスプロフィールの情報更新や、来院経路の聞き取りは、院内で始められる手段です。費用を抑えやすく、測りやすいものから始め、数字を見ながら広げましょう。
効果はどのくらいで分かりますか?
手段によって見え方が違い、一律の目安はありません。広告は出した直後から表示されますが、ホームページやSNSは積み上げ型です。月ごとに数字を記録して、変化を見ていきましょう。
婦人科の集客のまとめ
婦人科の集客は、オフラインで地域に名前を知ってもらい、オンラインで探す人に選ばれる、という役割を分けて組み合わせることが基本です。看板もチラシもホームページも医療広告ガイドラインの対象になるため、書く内容を確認しながら、手段を1つずつ足し、来院経路で自院の数字を測っていくことが成果につながります。
- オフラインは知ってもらう手段、オンラインは選んでもらう手段として分けて考える
- 媒体ごとに、医療広告ガイドラインで書ける内容を確認する
- 手段は1つずつ足し、来院経路の聞き取りで測る
個別の手段の中身は、婦人科の認知と商圏の記事や婦人科の新患を増やす考え方の記事で詳しく紹介しています。自院に合う順番を相談したい場合は、無料のWeb集客診断をご活用ください。
参考文献・出典
本記事で参照した公式資料の一覧です。リンクは2026年10月23日に開いて確認しました。
- 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
- 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)
- 厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」
- 厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況」(令和6年9月20日公表)
- 国土交通省「屋外広告物制度の概要」
- Googleビジネスプロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」
- Googleビジネスプロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」
- Google「禁止または制限されているコンテンツ」(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
更新履歴
- 2026年10月17日 公開
- 2026年10月17日 図解・具体例・よくある質問・参考文献を追加し、全体を見直しました
- 2026年10月20日 専門用語に注釈を追加しました
- 2026年10月24日 オフラインの手段と医療広告ガイドラインの注意を加え、全体を書き直しました
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公的統計・検索需要の「今月の数字」と、MEO・ホームページ・広告ですぐできる改善を、5分で読める量にまとめています。
※本ページは公的資料に基づく一般的な解説であり、個別の法的判断は専門家にご相談ください。




オフラインは「知ってもらう」役割、オンラインは「選んでもらう」役割と考えると、どちらかを捨てる話ではなくなります。
紙や看板で名前を知った人が、あとから検索して確かめる、という流れを前提に、つなぎ目を整えておくのがおすすめです(編集部の見立て)。