ピル外来の集患|自費診療の広告ルールとオンライン診療の伝え方

このコラムは、マイセレが医療機関の集患を支援してきた実績から得た独自の知見をもとに、編集部が書いています(編集方針)。公的な統計や資料の数字は、出典を明記しています。
ピルの診療を始めたいが、ホームページにどう書けば広告のルールに触れないのか分からない。オンライン診療も気になるが、どこまで対面でやるべきなのか判断できない。自費で行うことが多いメニューだけに、集患のやり方を誤ると、医療広告の面でも患者さんへの説明の面でも心配が残ります。
結論から言うと、ピル外来の集患は、「広告で書けること」「入口を目的別に分けること」「オンライン診療の役割を正しく伝えること」の3つを順に整えれば、無理なく進められます。特に、医薬品の商品名や効果の断定は書けず、オンライン診療は初診を原則対面とする考え方が国の指針に示されています。
この記事は、厚生労働省の原文を確認したうえで、集患の視点で整理したものです。医学的な判断や処方の可否は、各院の医師が決めることです。
ピル外来の集患は、広告のルールを守り、目的別に入口を分け、オンライン診療は国の指針の範囲で案内するのが基本です。
- 医薬品の商品名は広告できず、「ピル外来」という表記や自費の詳しい説明は、限定解除の要件を満たして載せる
- オンライン診療は、初診は原則かかりつけの医師が行うなど、国の指針に沿って案内する
- 入口は「初診の相談」「継続して通う」「オンライン診療」に分け、費用とリスクは同じページに載せる
ピル外来の集患に関わる検索の動き
集患の施策を考える前に、患者さんがどのくらいピルについて検索しているのかを、自社の集計で確認します。数字の意味と限界を押さえたうえで、読み取れることを整理します。
検索の関心は前年より小さくなっている
Googleトレンドの相対指数(日本、週次)を自社で集計したところ、「ピル」の直近8週の平均は61.5で、前年の同じ時期と比べて10%低い結果でした。この指数は、調べた4つの検索語の最大値を100とした相対値で、検索回数そのものではありません。
また、受診した人数を示すものでもありません。ただし、ピルを調べる人は今も多いが、前年より小さくなっているという傾向はつかめます。同じ集計で「婦人科」という入口の言葉は3%増えており、メニュー名より先に「まず婦人科へ」という検索が伸びている可能性があります。これは編集部の推測です。
患者さんが予約前に迷いやすいこと
ピルを検討する方は、費用、通院の頻度、診察の流れ、プライバシーなどを気にされると想定されます。これらは公的な調査で確認した数字ではなく、編集部の想定です。院内で実際に聞かれた質問を書き出して、ページの内容に反映すると、自院の患者さんに合った案内になります。ブライダルチェックの費用・検査項目の載せ方は、婦人科のブライダルチェックの集患で詳しく解説しています。
たとえば、受付に「ピルを飲みたいのですが、初めてでも大丈夫ですか」という電話があったとします。費用や診察の流れを手短に説明できる担当者がいる日は予約につながり、説明に詰まった日は「また考えます」と電話を切られてしまう。電話で聞かれる質問は、そのままホームページに書くべき内容です。
ピル外来の集患で広告に気をつけること3つ
ピルのような自費のメニューは、医療広告ガイドラインで特に注意が必要です。ここでは、ホームページを作るときに迷いやすい3つの点を、厚生労働省の資料に沿って確認します。
医薬品の商品名は書かない
医療広告等ガイドラインには、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨から、医薬品の商品名は広告してはならないとされています。具体例として、「医薬品『○○錠』を処方できます」は広告できないものとして挙げられています。一方で、「AGA治療薬を取り扱っております」のように医薬品を特定しない書き方は、自由診療である旨と標準的な費用をあわせて示せば、広告可能とされています。この例にならえば、ピルについても、商品名を出さずに、診療の内容を説明する書き方が基本になります。
「ピル外来」という表記は限定解除の要件を満たして使う
Q&Aでは、「○○外来」という表記は広告できる診療科名と誤認を与えるおそれがあるため、そのままでは広告できないとされています。ただし、患者さんが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトでは、限定解除の要件を満たせば使えます。要件は、問い合わせ先を明示すること、そして自由診療の場合は、治療内容、標準的な費用、期間、回数、主なリスクや副作用を分かりやすく載せることです。
詳しくは、婦人科の広告規制の記事で整理しています。検索連動型広告の文面や、不特定多数に配るチラシでは、限定解除は使えないので、広告の文面では「ピル外来」と書かず、診療科名など広告可能な範囲の表現にとどめてください。
※検索連動型広告とは、検索した人の画面に出て、クリックされると費用がかかる広告です。
費用とリスクを同じページに書く
自由診療の費用やリスクは、リンク先の別ページに書いたり、利点に比べて極端に小さな文字で書いたりしてはならないと、ガイドラインは定めています。ピルのページでは、診察料や薬の費用の範囲、通院の頻度、主なリスクや副作用を、ほかの説明と同じ大きさで載せます。
効果についての断定や、「必ず」「絶対」といった表現も避けてください。広告と別に、Googleなどの広告媒体にも独自のポリシーがあります。出稿を考える場合は、婦人科のリスティング広告も確認してください。
ビジネスプロフィールの名称に「ピル外来」を付け足すことも避けてください。Googleの掲載ガイドラインは、ビジネス名に宣伝文句などの不要な情報を含めてはならないとしています。医療広告の面でも、上の限定解除の要件が関わります。
※ビジネスプロフィールとは、Googleマップや検索結果に出る、院の紹介欄です。
ピル外来の集患にオンライン診療を併用する考え方
ピルの継続診療では、通院の負担を減らす手段としてオンライン診療を検討する院が増えています。ここでは、国の指針に書かれている基本を確認し、ホームページでどう伝えるかを考えます。なお、処方の可否や日数は、診察した医師が判断することです。
初診は原則かかりつけの医師が行う
厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂)は、初診は「かかりつけの医師」が行うことが原則で、直接の対面診療を組み合わせることが原則としています。例外として、過去の診療録や診療情報提供書などで医学的情報が十分に把握でき、医師が可能と判断した場合などに、初診からのオンライン診療を実施できます。
それ以外で初診からオンライン診療を行う場合は、診療前相談を行うと定められています。オンライン診療の専用ページの作り方と広告の注意点は婦人科のオンライン診療の集患にまとめています。
処方に関する決まり
指針には、初診の場合に行わない処方として、麻薬・向精神薬の処方、基礎疾患等の情報が把握できていない患者さんに対する特に安全管理が必要な薬剤の処方、同じく基礎疾患等の情報が把握できていない患者さんに対する8日分以上の処方が挙げられています。また、初診からのオンライン診療などでは、日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」等の診療ガイドラインを参考にするとされています。ピルがこれらにどう当たるかは、医師が個別に判断する事項です。
緊急避妊は別の扱い
指針には、緊急避妊に係る診療について、一定の要件の下で、産婦人科医または厚生労働省が指定する研修を受講した医師が、初診からオンライン診療を行うことを許容しうる、という例外が書かれています。これは緊急避妊に限った例外で、継続して服用するピルの診療の話とは別です。ホームページでは、両者を混同しない書き方にしてください。
ホームページでの伝え方
「オンラインだけで完結します」「初診から必ず処方できます」といった書き方は、指針の考え方や虚偽広告の観点からも避けるべきです。オンライン診療ができる場合、できない場合、対面での受診が必要になる場合を、分かりやすく書くことが、患者さんにとっても院にとっても安全です。
令和7年の医療法改正で、オンライン診療が法律上に位置づけられ、オンライン診療受診施設の広告を制限する規定も新設されました。今後も改訂があり得るので、定期的に厚生労働省の最新の情報を確認してください。
院内で実践するなら、オンライン診療を行う場合の条件(初診か再診か、対面の受診が必要な場面、予約の取り方)を、院長が1枚の文書にまとめ、受付とホームページの両方で同じ内容を案内します。
ピル外来の集患は入口を目的別に分けて予約につなげる
同じ「ピル」の検索でも、初めて相談したい人と、すでに服用していて継続したい人とでは、知りたいことが違います。入口を目的別に分けると、予約までの迷いが減ります。ホームページ全体の導線の考え方は、婦人科の集客方法7選で、入口ごとの反応を数字で見る方法は、婦人科のホームページで見るべきKPIで解説しています。

初診の相談
初診の方には、診察の流れ、費用の範囲、リスクの説明を、同じページにまとめて載せます。受付で多い質問は、そのままFAQにします。予約ボタンは、ページの上と下の両方に置き、スマホでも押しやすい大きさにしましょう。
継続して通う
服用を続ける方には、次回の来院の目安と、予約の取り方を分かりやすく案内します。診察の頻度は、医師が判断するものなので、一律の期間は書かず、診察時にお伝えする旨を書くと安全です。予約が取りにくいと感じると、通院が途切れる原因になります。子宮頸がん検診の伝え方と予約につなげる方法は婦人科の子宮頸がん検診で集患にまとめています。
オンライン診療
オンライン診療を行う場合は、対象となる方の条件、対面が必要な場面、使用するシステムや予約の手順を、独立したページにまとめます。対面とオンラインのどちらが適しているかは、医師が判断することを明記します。
| 入口 | 患者さんの状況 | ページに載せる情報 |
|---|---|---|
| 初診の相談 | 服用を検討している。不安が大きい | 診察の流れ、費用の範囲、リスク、問い合わせ先 |
| 継続して通う | 服用中で、継続したい | 次回来院の案内、予約の取り方、受診の際の持ち物 |
| オンライン診療 | 通院の負担を減らしたい | 対象の条件、対面が必要な場面、手順、システム |
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ピル外来の集患でよくある質問
ピル外来の集患について、院長・事務長からよくいただく4つの質問にお答えします。
ピルの商品名をホームページに載せてもよいですか?
医療広告等ガイドラインには、医薬品の商品名は広告してはならず、「医薬品『○○錠』を処方できます」は広告できないとされています。商品名は出さず、診療の内容と、自由診療であること、標準的な費用を載せる形が基本です。
初診からオンライン診療だけで処方できると案内してもよいですか?
国の指針は、初診は原則として「かかりつけの医師」が行い、直接の対面診療を組み合わせることを原則としています。例外もありますが、条件は限られ、処方の可否は医師が判断します。「必ず」「オンラインだけで完結」といった断定的な書き方は避け、指針の範囲で条件を書いてください。個別の判断は医師や管轄の保健所にご確認ください。
「ピル外来」と名乗ってもよいですか?
そのままでは広告できる診療科名と誤認を与えるため、広告できません。ただし、患者さんが自ら求めて見るホームページでは、限定解除の要件を満たせば使えます。広告の文面では、診療科名などの広告可能な表現にとどめてください。
ピルの検索は減っているのですか?
自社集計のGoogleトレンドの相対指数では、「ピル」の直近8週の平均が前年同期比で10%低くなっています。ただし、これは検索の関心の動きで、受診した人数を示すものではありません。数字が下がっても、自院の患者さんの動きは別に確認する必要があります。
ピル外来の集患のまとめ
ピル外来の集患は、広告の範囲を守ったうえで、患者さんの目的に合わせた入口を用意することが基本です。商品名や効果の断定は書かず、費用とリスクは同じページに載せ、オンライン診療は指針の範囲で案内する。この3点を押さえれば、安心して集患に取り組めます。
- ピル関連のページに、医薬品の商品名や効果の断定が入っていないか確認する
- 費用・期間・回数・リスクが、同じページに載っているか確認する
- オンライン診療の条件を、院長が文書にまとめる

自費メニューLPテンプレート
自費診療メニューのランディングページを作るための構成テンプレートです。見出しの順序、入れるべき情報、医療広告ガイドラインの注意点をまとめます。
無料でダウンロード参考文献・出典
本記事で参照した公的資料などの一覧です。リンクは2026年10月17日に開いて内容を確認しました。
- 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針(平成30年3月・令和8年4月改訂)」
- 厚生労働省「オンライン診療について」
- 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」
- 厚生労働省「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」
- 検索需要の数字は、Googleトレンド(日本・週次の相対指数・2026年10月16日時点)をもとにした自社集計
更新履歴
- 2026年10月17日 本文を公開しました
- 2026年10月20日 専門用語に注釈を追加しました
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※本ページは公的資料に基づく一般的な解説であり、個別の法的判断は専門家にご相談ください。


